『月の下の鳥たち』

これも色鉛筆作品をパステルもう一度、描いたものです。
この中に出てきている存在は全てが「わたし」の分身です。
月は静かな悲しみを心の底にたたえています。
鳥もまた静かです。
自分の内面の真実を大切に抱えていて、
誰かに話してわかってもらおうとはしていません。
そこには沈黙の黄金が光り輝いているからです。
そういった想いも夜になると夢となって
心の中からやさしく流れ出ていくのです。
そのときにはかすかなやさしい音色が聞こえているのかも知れません。
ちょっと思いつめたあの黄色い鳥は、
月の光と闇の静けさに癒されて、
梢のずっと上の方のまだ見ぬ世界へと想いを馳せるのです。
